ED治療での鍼の刺し方

では、実際にEDの治療ではどのようにして鍼を剌すのでしょう。

まずは、一般的に泌尿・生殖器系疾患や女性の膀胱炎、あるいは子どもの夜尿症に効くツボといわれている「曲骨」に鍼を少し深めに刺し、ぺニスの先端に鍼の響きを伝える手法をとります。

鍼の響きとは言うなれぱ低周波の弱い電気が流れるような感觉で、剌されたような痛みはありません。痛みどころか、微妙な剌激感を心地よく感じられる患者さんが多いくらいです。

勃起障害のない男性が曲背に鍼を剌されるとべニスの先まで鍼の響きを敏感に感じるのですが、EDの男性に鍼を剌しても鉞の響きはほとんどありません。ただ軽い剌激を少し感じる程度です。

このように、曲骨に鍼を剌したときに響きをどのくらい感じるかで患者さんのEDの状態が診断できるのです。そして曲骨に剌した鉞を動かして患者さんの体内に本来備わっている鉞の響きを甦らせていきます。

その手法としておこなわれるのが以下の三つです。

.雀琢法=剌した鍼を小刻みに上下に動かす

.振戦法=剌した鍼を左右に震わす

.旋撚法=剌した鉞を半回転ずつ左右に回旋させる

これらの手法で曲背に剌激を少しずつ加えていくと、ぺニスの先端近くまで鉞の響きが感じられるようになっていきます。これは鉞治療の効果で血流がよくなり、鈍くなっていた感覚が正常に戻っためと考えられます。

血流が悪くて冷えきった手の指先で物を触るよりも、血流がよい状態の温かな指先で触るほうが感覚がはっきり実感できるのと同じようなものです。

もうひとつ、EDの治療で不可欠なツボが「会陰」です。東洋医学的に会陰は体全体のエネルギーが湧き出る特別な場所とされ、中国では古来「死活の門」と呼ばれています。

このようにして、EDの鉞治療では全身を調整するための治療に局部治療を加えることで、さらに効果を高めていきます。全身治療に局部治療を加えた施術のほうが明らかに速効性もあるので、局部治療が必要な患者さんにはできるだけ両方の治療を受けていただくことをおすすめしています。

さて、ここで気になってくるのが「どのくらい通院すればEDが改善されるのか」でしょう。私としてもはっきりと申し上げたいところですが、こればかりは症状に個人差のあることや、通院べースなどによっても治療効果が異なるので明確にお答えすることはできません。それだけはあらかじめご了承ください。